今回はフォトウェディングや前撮りで人気が高まっている色打掛についてのお話。洋風アレンジやネット上で多く検索されているワード、つまり疑問について元衣裳プランナーから分かりやすく解説します!
色打掛とは? その意味や挙式で着るのはおかしいのかを解説
いくつかある花嫁衣装の中で、一際あでやかで華やかさを感じさせる和装が色打掛。
古くは、裾を引いて着物の上から羽織り秋から春にかけの正礼装とされていた着物。それが江戸時代以降、一部の上流の武家の娘が婚礼衣装としても着るようになり徐々に婚礼衣装として浸透していったとされています。現代では正礼装とされ白無垢同等の格となっておりますので挙式で着ても問題はありません。
生地も刺繍も全体的に真っ白な白無垢とは違い色のバリエーションが豊か、且つ凝った刺繍や染めが施され絢爛豪華な色打掛。その華やかさから大半の花嫁は結婚式のお色直しにお召しになる場合が多いですが、中には神前式や人前式などの挙式で色打掛をお召しになる方も。
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特に披露宴でウェディングドレスにお色直しをお考えの場合は白無垢からウェディングドレスへのお着替えの場合、白→白になってしまいますのでそれに比べると見応えのあるお色直しが叶います。
色打掛の時の髪型は洋髪でも良い!
色打掛の場合、髪型は鬘・洋髪の割合は半々くらい。鬘・洋髪それぞれに利点がありますので以下を参考になさってみて下さい。
♦︎鬘の場合
正統派な挙式スタイルを望まれる場合は文金高島田の鬘に角隠し・べっ甲のかんざしが最適。披露宴では角隠しを外し花かんざしにチェンジすると華やかさが増し、より一層目惹く花嫁姿に!
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♦︎洋髪の場合
挙式・披露宴とも洋髪でもO K。髪飾りのバリエーションが豊富なのも魅力の一つです。かんざし・生花・アートフラワー・水引・組紐などがあります。
面を生かしたヘアスタイルは和の雰囲気を高めますので、鬘にはしたくないけど洋風なイメージにはしたくないという方にお薦め。
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可愛らしい雰囲気にしたい方はカールを生かしたスタイリングに生花などを合わせてみてはいかがでしょうか?
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また、挙式で鬘・披露宴入場で洋髪にチェンジをお考えの方はお着替え・ヘアチェンジの時間がドレス→ドレスの場合よりも時間がかかる事が想定されます。タイムテーブルをプランナーやヘアメイクさんと相談しながらヘアスタイルをどうするかお考え下さい。
色打掛の時にブーケは必要?いらない? ドライフラワーブーケなど手に持つものは何があるのか
和装の場合、花嫁は末広という扇子を持ちます。扇子は広げた時に先が広がる事から“末広がりに幸せになるように”との願いが込められていたり、“心を契る”という意味合いのもと身に付けるようになったとされています。
ですが“人と差をつけたい”・“オシャレしたい”という方は披露宴で持つアイテムとしてボールブーケやクラッチブーケがお薦め。
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最近はドライフラワーを使ったドレスに合わせるようなスタイリッシュなクラッチブーケを合わせる方もよく見かけます。挙式では末広、披露宴入場やフォト時にブーケにチェンジというようにシーンに合わせてセレクトしてみて下さいね。
色打掛の色はどうする? 30代・40代に似合う色やお薦めの色を紹介
色打掛は色の種類の多さも選ぶ楽しみの一つです。しかし、30代・40代の花嫁の中には“若々しすぎる色はちょっと…”や“私の年齢でこの色を選んでも良いのだろうか”と色選びで悩んでしまう方も。そんな時に参考にしたい色選びのポイントをいくつかご紹介いたします。
赤
一番多く花嫁に選ばれている色。生命・太陽を表す色で魔除けの力があり、血の色である事から“生まれ変わる”事を表し嫁ぎ先の家の血色に染まるとされていました。鮮やかな朱赤から落ち着いた茜色まで種類が豊富。落ち着いた大人の花嫁らしさを求める方には朱赤よりも茜系がお薦めです。また、赤×黒・赤×紺など単色ではなく二色遣いやグラデーションタイプも大人感が増します。
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黒
“あなた以外の色に染まりません”という決意を感じさせると同時に、フォーマル=黒と連想するように格式高い色とされています。また、色打掛は柄が入るので黒の落ち着いた印象の中にも華やかさや明るさがあります。お大人の花嫁ならではの粋な着こなしとして敢えて黒の色打掛を選ぶのも素敵です。
金
豊かさを表す縁起の良い色。日常でも纏うことのない色である金は強い特別感を感じさせます。高級感の感じる金色は大人の品格があるからこそ選べる色かもしれません。
青・紺
暖色系に比べ清潔感や凛としたイメージから大人でも気負いなくトライしやすい色。“何か青いものを身につけると幸せになれる”というサムシングブルーのおまじないも兼ねてみるのも素敵です。
色選びの際には“ご自身の顔色・肌色にあっているか”という事もお忘れなく。大人婚・大人の花嫁だからといって着てはいけない色はありません。是非、年齢やお立場だけに囚われずご自身にピッタリな運命の1着を探してみて下さいね。
色打掛のおからあげって何?
着物のようにおはしょりを作り帯を結ぶ着こなしとは違い、打掛は裾を引いて着る衣装。しかし裾を引いたまま過ごすのは大変ですので、記念写真時には裾を下ろし、歩く時には“おからあげ”と言って裾をたくし上げ手に持ちます。イメージすると大変そうですが、大抵の場合は着付け師さんが紐を使って留めてくれますので持つとしても手を添える程度。
おからあげをすると裾が上がるので下ろしている時と印象がガラッと変わる事もあり、それも色打掛ならではの魅力の1つです。試着の際には裾を引いた時・おからあげをした時の2パターンを見せて貰いながら選ぶようになさって下さいね。
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最後に、色打掛を選ぶ際には描かれている“柄”の意味を考慮してみるのも素敵です。柄については『和装婚 花嫁和装の歴史から種類・柄、新郎和装の名前・色のこと、知って役立つ基本知識』記事内にてお伝えしておりますので、そちらも合わせて参考になさってみて下さいね!
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