人前式 メリットやデメリット演出や進行のこと。クラウドセレブレーションや婚姻式も人前式で?

元プランナー直伝

人前式が今、改めて注目されています。コロナ禍の影響で少人数や家族婚が増えたことで、自由度が高くアットホームな人前式が選ばれるのは自然な流れなのかもしれません。今回は元オリジナルウェディングのプランナーから人前式の「基本のき」を解説いたしますね。




人前式とは?メリットとデメリットについて

結婚式と聞いて一番に思い浮かぶのは、チャペルの祭壇前で結婚を誓う“教会式”ではないでしょうか。あるいは日本の伝統的な神殿で行う“神前式”かもしれません。全体の実施数としては少ない仏前式も聞いたことがある人が多いと思います。

日本で執り行う挙式の形は次の4種。教会式、神前式、仏前式、そして今回のテーマ“人前式”です。人前式は前者の3つと違い宗教信仰によって結婚に誓いを立てるのではなく、列席者が結婚の証人になる日本古来の式といえます。

 

前述のとおり人前式は宗教などにとらわれることがありません。教会式や神前式のように神に誓うのではなく列席者全員に結婚を誓い証人になってもらいます。よって挙式全体に一体感が生まれ列席者との絆が深まります。挙式の内容が自由にできるというのも特徴です。形にとらわれす自分たちらしさいっぱいの挙式にしたい、列席者と一緒に挙式を楽しみたい人にはお勧めです。その一方でデメリットもあります。まとめてみましたので参考にしてみてください。

 

◆メリット

アットホームな雰囲気

列席者に向かって結婚を誓う人前式は、二人と列席者の距離感が近くアットホームな雰囲気が魅力。列席者が結婚の証人になるため全員が一体となって式をつくり上げるという一体感が味わえます。

式を執り行う場所に制限がない

人前式は、十字架を取り外せばチャペルでも、あるいは披露宴会場内、庭園やレストラン・ビーチなどの外でも二人の希望次第でどんな場所でも行うことができます。二人にゆかりのある場所でゲストに結婚を誓えばとても良い思い出にもなりそうですよね。

演出が自由

演出も音楽も自由自在。二人らしさいっぱいの挙式が叶います。ゲスト参加型などオリジナリティーいっぱいの演出を取り入れれば、二人だけでなくゲストの記憶にも残る素敵な挙式に。

ふたりのオリジナルの誓いの言葉

人前式での誓いの言葉は、ふたりで考えることもできます。オリジナルの誓いの言葉で二人らしさをゲストに伝えることもできます。

挙式の費用を抑えることも可能

決まった流れがないのが特徴の人前式ですが、逆に演出やセットを省略できる場所の選び方でことで大幅なコストカットにもつながります。

 

◆デメリット

自由度を重視しすぎると本来の挙式の意味が薄れることもある

好きな演出で自分たちらしい挙式にすることが魅力の人前式ですが、やりすぎるとただのパーティーのようになってしまい「結婚を誓う」「ゲストに証人になってもらう」という本来の挙式の意味が薄れてしまうことも。年配者や人前式になじみのないゲストに不快感を与えることにもなりかねないので、あくまで結婚式であることを忘れずに、ゲストの受け取り方まで考えで演出を決めていくことも大切です。

演出が少なすぎると味気ない挙式に

シンプルさを追求しすぎたりコストカットを重視して演出など省略してしまうと人前式ならではの温かみが失われ味気ない式になってしまいます。プランナーと相談しながら全体のバランスを考えて内容を決めることをお勧めします。


人前式 進行の流れは?バージンロードの入場は誰と?

自由なスタイルの人前式なので、もちろんいちからすべて自分たちのオリジナルでつくっても良いと思いますがイメージがわかないという場合は人前式の基本的な流れをベースにアレンジしてみると良いですね。

 

①新郎新婦の入場

人前式の場合どのような入場方法でも構いません。バージンロードの入場も誰と歩いても大丈夫。

新郎新婦の二人で入場しても良いですし、新婦さんにとって大切な人にエスコート役を頼んでみるのも人前式ならではの演出になります。

②結婚の誓い

人前式では、新郎新婦からゲストに向かって結婚の誓いを行います。ここでふたりらしさあふれるオリジナルの誓いの言葉にするとほほえましかったり、会場の笑いを誘ったり、心温まるシーンになるに違いありません。

③指輪の交換

④誓いもキス

指輪の交換とともに誓いのキスは省略するという人もいます。人前式である以上、教会式のセレモニーにこだわることは不要という考えによるようですが、進行のなかでよりゲストからの共感や心の繋がり感を引き出す演出とも言えます。「誓いの言葉」のあとに「誓いのキス」を入れると流れも自然になり意味あるシーンになるのでお勧めです。

⑤結婚証明書にサイン

新郎新婦がオリジナルで作った結婚証明書を用いる場合も多く、ゲストのサインをもらうことで一緒に完成させると人前式の良さが引き立つセレモニーです。

⑥結婚の承認と宣言

新郎新婦は出来上がった結婚証明書をゲストへ向かって魅せ拍手をもらうことで結婚の承認となる大切な場面です。

⑦新郎新婦の退場

 

進行自体は教会式と似ていますが、ひとつひとつのセレモニーによって二人の結婚に列席者の承認が深まり、あたたかな絆がうまれていくのではないでしょうか。またセレモニーがあることによって写真や映像撮影にもメリハリある思い出に残すことができます。


人前式 珍しい演出やゲスト参加型演出

前章では基本的な流れを紹介しましたが「ゲストの心にも残る演出を何か取り入れてみたい」という人にお勧めのセレモニーをあげてみました。

 

ダーズンフラワー

新郎がゲストの持っている12本の花を束ねて先に入場している新婦に渡し愛の言葉を伝えます。                                      昔ヨーロッパで男性がプロポーズに行くとき女性に花束を渡したブーケの由来を挙式のセレモニーとして取り入れたもの。12本にはそれぞれに『愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠・感謝・誠実・幸福・信頼・希望』という意味が込められ、1本1本渡すことで一生新婦に12の誓いを立てます。                                           一般的には12本の花束ですがゲスト全員から花を集めるのはいかがでしょうか。カスミソウなど小さな花ならとてもかわいい花束になりますし、ゲストも花を新郎に渡して参加できるので一体感が生まれみんなが二人の結婚を祝福しているという気持ちも込められます。特にプロポーズをしっかりしていないという二人にはおすすめですね。

ゲストと一緒につくる結婚証明書

結婚証明書として1枚のシートにゲスト全員の書名をしてもらう方法が基本ですが、代わりにウェディングツリーというアイテムもおしゃれで人気の証明書になります。1枚のシートに木の幹が書かれていて、ゲストにはまるで葉のように指でスタンプしてもらいます。その指スタンプが承認の証。挙式のなかで最後に新郎新婦がサインをしたら完成です。みんなでつくり上げたウェディングツリーは飾っておけるのも魅力です。

 

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問いかけ方式の誓いの言葉

ふたりで考えたオリジナルの誓いの言葉を用いる人は多いのですが、問いかけ式にしてもふたりらしさの演出になりゲストも和やかに。

以前担当したお客様の例になりますが、立合人をお願いした友人にあらかじめ問いかけを依頼しておきました。打ち合わせ中もいつも笑いが絶えないユーモアたっぷりの明るいお二人に相応しい 問いかけです。こんな風な内容でした。                                       立合人:「新郎に伺います。新婦は常にユーモア求めます。もし新婦が…“I have a Pen~?I have a Apple?uuunn !!!”と仕事から帰ってきた新郎に言った場合、あなたは何と言いますか?」

新郎:「ペンパイナッポ~アッポーペン!!」                            立合人:「さすがです!どんなに疲れていても新婦のボケにのっていくことを誓いますか?」

新郎:「はい、誓います。」

ユニークな友人に頼んだらこんな面白い誓いの言葉を問いかけてくれました。これはふたりさしさと楽しさを重視した内容なので、立合人やゲストがどんな人達かなどふまえプランナーと事前に打ち合わせてアレンジしてみたらいかがでしょうか。


コロナ禍で生まれたクラウドセレブレーションも人前式、婚姻式も人前式?

ここまで人前式について紹介してきました。人前式は列席してくれたゲストに証人になってもらう、自由な挙式スタイルだということはお分かりいただけたかと思います。

最後に紹介したいのが、そんな自由なスタイルの人前式を取り入れ、現在のコロナ禍で生まれた新しい結婚スタイルである「クラウドセレブレーション」「婚姻式」です。

 

クラウドセレブレーションは家族だけでの結婚式や前撮りなどの素敵な写真を使ってふたりらしい結婚報告のWebページをつくりメールやLINEなどでURLをみんなにおくります。Webページで結婚の誓いが承認されてウェディングツリーに祝福のメッセージを書いてもらい、それがメッセージBOOKになるというサービスです。たくさんの人たちに参加してもらえる今どきのスタイルで素敵ですね。

 

婚姻式は婚姻届を提出する日にドレスアップして人前式と記念撮影を行いその後市役所へ婚姻届を出しに行くというもの。自由なスタイルの人前式だからこそ生まれた、コロナ禍でもできる結婚のカタチです。

 

コロナ禍で多くのカップルが結婚式延期や中止を余儀なくされています。こんな時だからこそ新しい結婚式のスタイルやゲストと分かち合えるカタチをとりいれて、これからの門出に相応しいい結婚式を挙げてくださいね。



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