白無垢が似合う人・合わない人の特徴 綿帽子と角隠しはどっちが良い?
元プランナー直伝
最近は、コロナ禍の影響で今まで以上に前撮り・フォトウエディングの人気が高まっています。そして洋装・和装両方撮影する人たちも増えています。
しかし和装となると自身に似合っているのかどうか、何が正解かいまひとつ分からないまま担当者に勧められるままに・・・という花嫁も多いようです。
今回は花嫁衣裳の代表格「白無垢」のお話。元衣裳プランナーが和装の基本を分かりやすく解説します。特に気になる顔周りのことなど知っておくとより美しい花嫁姿になれますよ。
白無垢が似合う人の特徴 首が短い人は似合わなさそう?
日本人ならではの婚礼衣装である白無垢での結婚式とても素敵ですよね。
現代は洋服文化という事もあり大半が着物に馴染みがない為“憧れはあるけれど自分に似合うか不安”と心配される花嫁も多いです。最初にお伝えしておきたい事は“私達は昔当たり前のように着物を着ていた人種なので日本人で似合わない筈はない”という事。何代か前のご先祖様までは毎日着物を着て生活していた訳ですから、その子孫である私達だって着こなせる筈なのです。
しかし、中には似合わないと感じてしまう人もいるのは何故なのでしょうか?まずは一般的に着物が似合うと言われる人の特徴から見てみましょう。
面長や丸顔のスッとした顔立ち・襟足が短め・首が細く長い・撫で肩・寸胴体型…など
しかしこのような条件の殆どが現代の様々な技術やサービスを利用する事で、多少なりともカバー・クリアする事は可能です。
顔立ち〜メイクでカバー・鬘(かつら)ではなく洋髪にしてフェイスラインをカバーできるヘアセットをする等
襟足〜シェービングや脱毛で形を整える事は可能
首の長さ〜エステで肩周りの凝りをとる・スマホ首などの姿勢改善
肩や体型〜体型のお悩みについては着付け時に下着やタオル等で補正をしたり、着付け技術で多少カ
バーして貰える場合がありますので、ヘアメイクさん・着付師さんに事前に相談してみましょう。
それでも似合わないと感じられる人がいる理由の一つに鬘(かつら)があります。鬘はそれぞれの花嫁の頭の大きさに合わせていくつかのサイズがあり、白無垢が決まった後の鬘合わせでサイズを確認して貰う事が一般的です。
その際に合わないサイズの鬘で決められてしまうと、白無垢を着た時に違和感となり”白無垢が似合わない”と感じてしまう要因になる事があります。鬘は当日お願いをする美容室やヘアメイクさんによって用意されている種類や数に差がある場合もありますので、事前に確認してみると安心かも知れません。
白無垢に角隠しor綿帽子 その由来やどちらか迷う人はどうしたら良いのか
神前式の際には白無垢に合わせて角隠しか綿帽子が必須アイテム(洋髪の場合は別)です。それぞれの特徴は以下の通り。
綿帽子
丸みのある可愛らしいシルエットが人気。式のみで使用できるアイテムです。可愛らしい・柔らかい印象になりやすい。
由来:挙式を終えるまで新郎以外に顔を見せられないようにする為のもの。
角隠し
綿帽子より顔が出るのでスッキリした印象に。披露宴でも着用出来、色打掛や引き振袖などにも合わせられるアイテム。きれいめ・キリッとした印象になりやすい。
由来:角を隠して夫に従うという意味合い。
綿帽子・角隠しそれぞれ形が全く異るのでどちらにするかで印象が大きく変わります。ショップによっては試着時に綿帽子や角隠しを試せる所もありますし、白無垢が決まった後の鬘合わせの時に試すことができる所もあります。いずれにしても、綿帽子・角隠しどちらも試してみてお決めになると良いでしょう。
白無垢に綿帽子 似合う顔はある?鬘なしで洋髪もO K?
角隠しに比べて人気が高い綿帽子は一般的に丸顔や愛らしい顔立ちの方にお薦めと言われます。さらに顔が隠れ気味のシルエットですので、エラ張りさん・首が短いとお悩みをお持ちの方、フェイスラインや襟足に自信がない・鬘姿をあまり見せたくない等、顔まわりでカバーしたい部分がある方にもお薦めです。
また、綿帽子の良い所は鬘ではなく自髪で日本髪を結った人や洋髪の人でも対応が可能な所。本来、鬘(かつら)に簪(かんざし)で高さを出して綿帽子をかぶるのがシルエットを一番美しく見せられると言われておりますが、洋髪の花嫁向けにシルエットが崩れにくい綿帽子や専用アイテムもあります。
洋髪に綿帽子の予定の人は、ヘアメイクさんや衣装スタッフ等に事前に専用アイテムの有無を確認をするようにして下さいね。
白無垢に角隠し 似合う人はどんなタイプ?
綿帽子に比べて顔の見える範囲が広くなる角隠しは、表情が明るく見えたりシルエットがスッキリコンパクトに見える効果も。元の顔立ちがハッキリしている方や面長さん・襟足が短めな方はより一層お似合いになります。
角隠しを選ぶ場合は文金高島田というスタイルの鬘か日本髪を結う事が必須に。角隠しは簪(かんざし)が見えるのも素敵ポイント。挙式では鼈甲(べっこう)の簪(かんざし)になりますが頭上の華やかさが増して写真映えもしますよ。
角隠しに苦手意識をお持ちの方は意外と多いのですが、一度試して頂くと“意外と角隠しの方が良いかも”と仰る花嫁は多いです。是非一度試してみて下さいね。
白無垢は何歳まで着て良いの?年齢制限ある?
“白無垢は若い子が着るもの“という考えはひと昔前まで。最近は晩婚化で3〜40代で結婚する方が増えており、こういった考え方をする人も少なくなりました。そもそも白無垢に年齢制限はありません。3〜40代の大人の花嫁が纏うからこそ、より品格を出せるのも着物の良い所。ここでは大人婚で着物をお召しになる花嫁へお薦めの白無垢デザインをお伝え致しますので、是非ご参考になさってみて下さいね。
♦︎大人婚には正絹の白無垢を
白無垢には正絹(しょうけん)・化繊(かせん)・交織(こうしょく)大きく分けて3種類の生地があります。
正絹〜全て絹糸で織られている生地で真っ白ではなく生成りがかった風合いが特徴。
化繊〜全て化学繊維で織られており正絹には出せないような真っ白な色味が出せる。
交織〜絹と化学繊維をどちらも使用された生地
化繊や交織の真っ白な生地も素敵ではありますが、時に安っぽく見えたり青光りして見えてしまう事も。逆に正絹は生成りで肌馴染みが良い色合い・艶や質感など高級感を感じさせる生地感で大人の花嫁には特にお薦めです。
♦︎手の込んだ1枚を選ぶ
着物といえば刺繍。作家物などの手の込んだ白無垢は本当に美しく目を奪われます。中でも有名な刺繍は相良刺繍(さがらししゅう)。一粒一粒玉結びを作りながら柄を描いていく非常に手がかかる技法で、誰が見ても良い着物と分かるような刺繍です。立体感のある刺繍で柄がはっきりと見えますので写真映えもします。また、刺繍糸に金や銀の糸を用い輝きや柄がはっきり見えるようにする技法もあります。金糸や銀糸の輝きもまた存在感があり美しさを感じさせます。このように細部にまでこだわり抜かれた1枚をお召しになる事で、大人の花嫁の品格が上がる事は間違いないでしょう。
最後にどうしても白無垢を着る事に抵抗があるという人は、白無垢以外の着物に視野を広げてみる事もお薦めします。中でもお薦めは黒引き振袖。
こちらは明治から昭和初期まで婚礼衣装として一般的に着用されていた着物になり、白無垢のように裾を引いて着る黒い振袖の事。格式高い色である黒に角隠しを合わせた婚礼スタイルは和モダンを感じさせると共に、普段目にする着物に近い身軽でスッキリとしたシルエットで”やりすぎ感”を感じさせずに着こなせます。白を着る事に抵抗がある花嫁も少しハードルを下げて、チャレンジしやすい黒引き振袖を一度試着してみるのもアリだと思いますよ!
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